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信仰

諏訪、祇園、住吉で行なわれる祭り

諏訪信仰は長野県諏訪市にある諏訪大社を中心とした信仰だ。この地方以外の人々が諏訪大社の名前を耳にするのは、寅と申の年に開かれる「御 柱祭」の報道でかもしれない。 訪信仰の名物ともいえる御柱祭は、その勇壮さと熱狂ぶりで知られる。山から10トンはある大木を切り出し、それを社殿まで引いて神木の柱とする。この時「木落し」といって、柱にする大木に人を乗せたまま、傾斜30度の坂から80メートルに渡って落とす。現在でも諏訪地方の氏子20万人以上が参加するというのも、それだけこの祭りが神聖視されているからだろう。

御柱祭の起源は諸説あり、定かではない。ただ木を切り出して引いていくという点は、伊勢神宮の式年遷宮と共通していることもあり、諏訪信仰は古代的な信仰の姿をそのまま残している可能性が高い。

祇園信仰の「祇園祭」は日本三大祭の一つとして有名だ。祇園という名は神仏習合時代、八坂神社が比叡山に属して「祇園社」と呼ばれていたことに由来する。869年に京の都に疫病が流行た時、神泉苑に%本の矛を立てて祇園の神をまつり、祇園社の神輿を送って災厄の除去を祈った。これが祇園信仰の起源で、山鉾巡行でにぎわう祇園祭の始まりになった。祇園祭はかつて祇園御霊会と呼ばれていたが、この「御霊」とは恨みを残して死んだ人の怨霊や疫神のこと。それをまつることは天災や疫病を防ぐという意味合いがあった。

住吉信仰の中心地、住吉大社で開かれる「住吉祭」は、夏越献神事と荒和大載神事の「載え」を重視する神事。それゆえ古くは「おはらい」と称した。海水の霊力により災いを載い清めるため行なわれるのだ。

住吉祭では、海水で清めた神輿を担ぎ、大和川のなかを練り歩いたり、舟形の山車に乗せて引いたりする。ここからわかるように、住吉信仰は海と密接に関係している。住吉大社の項目でもふれたように、海に関する神々をまつっているからだ。そのため多くの漁業関係者からも信仰されている。

修験道から始まった各地の山岳信仰

海の神をあがめる住吉信仰に対して、おもに修験者たちがあがめる山の神の信仰も多い。たとえば石川県、岐阜県、福井県にまたがる白山の白山信仰だ。修験道の修行場として発展したこの信仰は、ほかと比べても仏教色が強く、天台宗との強い結びつきによって全国に広まった。

そのほか山岳信仰で代表的なものといえば熊野信仰がある。白山信仰の白山権現、熊野信仰の熊野権現など、修験道系で信仰される神はよく 「権現」の呼び名が使われるが、これは仏が化身して日本の神として現れたものを指す。深い山々に囲まれた熊野の地は仏教の浄土ともいわれ、密教の信仰が広まってからは修験道の拠点となった。修験者たちによって参拝道が開拓されていくと、皇族や貴族がこぞって熊野に詣でるようになる。身分の貴購を問わない熊野の神は庶民にも広まり、やがて熊野信仰が形成されていった。

熊野本宮大社の例大祭もユニークだ。初日には「湯登神事」といって神職や氏子たちが温泉に向かい、湯垢離をして戻ってくるというものだ。心身を清める修行でもあるこの行事に参加して、修験者の気分を味わってみるのもいいだろう。

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